MDB COLUMN

ビジネスを成功に導くための視野/視点の拡げ方(2018/07/12)

第3回 若き論客に学ぶ、という発想~その3

<本コラムの紹介>
 ビジネスを成功に導くためには、「いかに視野や視点を拡げていけるか」が極めて重要である。といっても、それほど簡単な話ではないことは皆さまもご存じの通りである。そこで本コラムでは、その方法論について、様々な考え方をお伝えしながら、紐解いていくことを目的としている。「他では読めない内容」となっているので、是非お楽しみいただきたい。



はじめに

前回は日本の若き論客を紹介した。落合陽一氏、佐藤航陽氏、お二方ともまさに「若き論客」と呼ぶにふさわしい知性とセンスと先見性を持ち合わせた方だと思う。今後も、落合氏、佐藤氏が未来予測について語っている文献やインタビューにはよく目を通されておくことをお勧めしておく。
また日本の若き起業家にも注目すべきビジネスパーソンが増えてきた。世界で行われるスタートアップイベントにおいても、日本企業が高評価されるケースが増えており、非常に喜ばしいことである。今年もスタートアップワールドカップ日本予選で出てくる新たなビジネスアイデアに注目しておきたい。

■「STARTUP WORLD CUP」
 URL:http://www.startupworldcup.io/japan-regional

 ちなみに2018年の優勝は、マサチューセッツ工科大学発のレウコラボ(血液検査関連企業)。日本代表として、自動衣類折り畳み機で知られるセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが参加していた。2017年には、日本のユニファ(保育園向けIoTサービス)が優勝している。

海外の論客とは

さて、本号からは視線をより海外に向けてみよう。
業種・業界に関わらず、世界中から多くの企業が日本に乗り込んでくるのがこれからの時代、これまで以上に、グローバルトレンドを把握していく必要がある。
 日本もそうだが、海外においても、まずは参考とすべき論客を把握しておくことが重要だ。これからのビジネスは、自社にとっての、そして自身とっての「キーパーソン」「キーマン」を把握していくことが本当に重要となる。

 私自身、かねてより、ピーター・ティール氏(ファウンダーズ・ファンド創業者)のビジネス発想から多くの学びを得てきた。私にとっては、海外の論客の筆頭格である。そう「シリコンバレーの歩く矛盾」と称され、起業家として数々の成功を収め、現在は米トランプ大統領の影の仕掛人ともいわれるあのピーター・ティールである。最近では、「ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望」(トーマス・ラッポルト著/飛鳥新社)が日本でもベストセラーとなっているのでご存知の方も多いであろう。

■「ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望」
 URL:http://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864106016.php

 そしてこれからは、こうした凄い論客に少なからず影響を受けた「若き論客」がさらに登場してくるはずである。次なる論客ウオッチは私にとっても重要な仕事であり、実に楽しい仕事でもある。いわゆるミレニアル世代とその前後には、注目すべき「まだ見ぬ論客」が隠れている気がしてならない。もちろん本連載にて、探し出していくつもりだ。

若き論客紹介~パート2

ということで、青田買い的な意味合いを含め、今回からは海外の若き注目の論客を順次紹介していくこととしよう。

ブライアン・シンガーマン
ピーター・ティールと同じ、ファウンダーズファンドの投資家である。日本ではまだあまり知られていないかもしれないが、2018年1月のフォーブスジャパンの特集ではピーター・ティールを超えたとまで評されている凄腕投資家である。

URL:https://foundersfund.com/team/brian-singerman/
URL:https://forbesjapan.com/articles/detail/19069

 「世界で最も影響力のある投資家BEST50」(こちらもForbus誌)という毎年注目すべきランキング記事があるが、最新版において、堂々第5位にランクインしている。その投資先はもちろん、これからのビジネスを見据える上でのコメントや記事には注目していくとよい。

 例えば、THIS WEEK IN STARTUPSのYouTubeに登場する以下動画などは非常に面白いと思うのだが、いかがだろうか?

URL:https://www.youtube.com/watch?v=O8emgaUsOZY

遅かれ早かれ、同氏に関する書籍等は発刊されるであろう。多くのビジネスパーソンが気付く前に!是非チェックしていただきたい。

次回予告

さて、今回はここまで。
 次回も、まさにこれからの時代を象徴していくであろう論客を紹介する予定である。
 乞うご期待。


<筆者紹介>
菊池 健司
株式会社日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンク コンサルティングサービス部部長。
1990年日本能率協会総合研究所入社。マーケティング・データ・バンク(MDB)で長年に渡り、民間企業、官公庁、独立行政法人、大学等からの要請に応じ、公開情報を中心とした情報提供に携わる。現在は新規事業開発、新用途探索、ビジネスプラン策定といったテーマにおいて、情報コンサルタントとして個別企業や機関での支援活動に日々取り組んでいる。情報活用を通じて社員の発想を拡げることを目的とした研修の要望が急増している。