MDB COLUMN

ビジネスを成功に導くための視野/視点の拡げ方(2018/12/27)

第8回 若き論客に学ぶ、という発想~その8

<本コラムの紹介>
 ビジネスを成功に導くためには、「いかに視野や視点を拡げていけるか」が極めて重要である。といっても、それほど簡単な話ではないことは皆さまもご存じの通りである。そこで本コラムでは、その方法論について、様々な考え方をお伝えしながら、紐解いていくことを目的としている。「他では読めない内容」となっているので、是非お楽しみいただきたい。



メモの魔力

読者の皆様は、前田裕二氏をご存知であろうか。2013年に仮想ライブ空間事業であるSHOWROOMを事業として立ち上げ、現在は同社の代表を務める日本でも注目の起業家・事業家である。まだ31歳ということで、私から見ても間違いなく、「若き論客」のお一人である。
 2017年6月刊行の初の著書「人生の勝算」においては、自身の生い立ちから、仕事に対する氏の考え方、ビジネスと人生両面における「勝算」が見事に描かれている。まだお読みでない方は、ご一読をお勧めしておく。

■「人生の勝算]
 URL:https://www.gentosha.co.jp/book/b10952.html

 そんな前田氏はつい最近、新刊を刊行した。

■「メモの魔力]
 URL:https://www.gentosha.co.jp/book/b12189.html

 氏のビジネスや人生哲学を創り上げたメモ術が所狭しと展開されている。「メモ」にここまでこだわった本もなかなかない。ここまではなかなかできないと感じる方も多いかもしれないが、何事も「徹底」することの大切さを若き経営者が教えてくれている気がしてならない。発刊後ほどなくして、アマゾンベストセラー№1となっているが、注目の書籍レーベルである幻冬舎NewsPicksBooksの中でも、初版からの売れ行きが過去最高クラスとのこと。この冬、早めに入手してお読みになることをお勧めしておく。
 詳しくは本書にて確認いただきたいのだが、「標語」→「ファクト」→「抽象化」→「転用」の流れは、どのビジネスパーソンにも参考となる。

若き論客がGAFAをどう見ている?

実は、常に注目しているのは…こうした若き才能が、GAFAをはじめとした世界のビジネスシーンの覇権争いをしている企業をどう見ているのか、である。特に、世界で勝負するために、どういう点を巨大企業のウィークポイントとして注視しているのかは、どの業界に属するビジネスパーソンにとっても学びが多い。前田氏の場合は、GAFAにも「隙」があるという考え方である。
 それは一体…?この記事には、注目しておくとよいであろう。

 URL:https://toyokeizai.net/articles/-/253257

例えば、

「所得や時間を奪う時代から、"可処分精神"を奪い合う時代に入っていくという強い仮説を持っている」

という氏のコメントからは、ものづくりのストーリー性や共感の重要性が浮かび上がってくる…。
 消費財にもサービス業にも生産財にも「ストーリー」が必要な時代…重要な話なので今後も取り上げる予定である。さあ各社はどのようなスタンスでこれからの時代を乗り越えていくのか、興味深く見守りたい。

次回予告

今回はここまで。
 次号も引き続き、若き論客探しの旅を続けていく。2019年…、元号が変わる年には必ず「何かが起こる」というのが世の常である。そうしたことにもフォーカスしながら、本連載もお届けしていきたい。

 皆様にとって2019年が素晴らしい1年となることを願っている。


<筆者紹介>
菊池 健司
株式会社日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンク コンサルティングサービス部部長。
1990年日本能率協会総合研究所入社。マーケティング・データ・バンク(MDB)で長年に渡り、民間企業、官公庁、独立行政法人、大学等からの要請に応じ、公開情報を中心とした情報提供に携わる。現在は新規事業開発、新用途探索、ビジネスプラン策定といったテーマにおいて、情報コンサルタントとして個別企業や機関での支援活動に日々取り組んでいる。情報活用を通じて社員の発想を拡げることを目的とした研修の要望が急増している。