MDB COLUMN

ビジネスを成功に導くための視野/視点の拡げ方(2019/09/25)

「未来」を想起し、ビジネストレンドを先取りする<その4>

<本コラムの紹介>
 ビジネスを成功に導くためには、「いかに視野や視点を拡げていけるか」が極めて重要である。といっても、それほど簡単な話ではないことは皆さまもご存じの通りである。そこで本コラムでは、その方法論について、様々な考え方をお伝えしながら、紐解いていくことを目的としている。「他では読めない内容」となっているので、是非お楽しみいただきたい。



今年も発表となった必見指標!

スタートアップや起業家の拡がりがまだまだ足りない日本においては、海外のスタートアップトレンド、とりわけどのようなビジネスモデルやマネタイズのポイントが受けているのかについて、業種業界関わらずチェックしておく必要がある。欧米のスタートアップトレンドを見る上で、必見指標として、これまでも大切にしてきたのがInc5000である。今年も最新ランキングが発表となった。

■Inc5000 2019
 URL:https://www.inc.com/inc5000/list/2019

 アメリカにおいて、急成長を遂げている未上場企業5000社ランキングであり、3年間での成長率が中心指標となっている(ヨーロッパ版もあり)。
 それにしても、毎年色々と教えてくれるランキングである。勢いのあるスタートアップの業種や所在地に関するトレンドはもちろん、各社について調べていくとこの会社は「AI×物流」がキーワード、この食品メーカーはこういうポイントで伸びている等々、日本企業もかなり参考にできるヒントを見つけることができるだろう。
 ちなみに2019年版の第1位は、アリゾナ州にある広告企画関連業種に分類されるFreestar社である。

 URL:https://www.inc.com/profile/freestar

 同社は、さすがランキング1位、3年間での成長率が、実に36,680%を誇る。この驚異的な成長率だけでも、皆様の関心を相当そそるのではないか。

 本ランキング入りしている企業をズラッと眺めたら、それぞれの感覚で気になる企業を見つけて、是非チェックしていただきたい。同業なら、なおさら参考となるであろう。初見の方は、今後、定点観測指標として観察されることをお勧めしておく。必ずやお役に立つに違いない。

時代の息吹を感じるために…

MDBを日頃ご利用いただいている皆様に、是非足を運んでいただきたいイベントがある。日本では、9回目の開催となるTech Crunch TOKYOである。冒頭で拡がりがまだまだ足りないと書いたものの、日本のスタートアップもなかなか熱い。毎年恒例のスタートアップバトルでは、日本初の熱い起業家たちのビジネスアイデアと熱を東京・渋谷で感じることができる。

■Tech Crunch TOKYO 2019(渋谷ヒカリエ/2019年11月14日~15日)
 URL:https://jp.techcrunch.com/event-info/techcrunch-tokyo-2019/

 個人的には、ロンドンのスタートアップであるwhat3wordsのCEO登壇決定のニュースを見て、「これは行くしかない!」と強く感じた(とはいえ、このイベントは面白いので、毎年必ず足を運んでいるのだが…)。what3wordsについては、詳しくは次号に譲るが、実に面白い企業が登場してきたものだ。実はこの企業には、多くの企業にとって「盛りだくさんのビジネスヒント」が隠れている。
 さて、貴社の住所はどのように表示されるであろうか…。ご関心がある方は、以下サイトを確認いただきたい。

 URL:https://what3words.com/

次回予告

今回はここまで。
 前回予告していた中国トレンドについては、次号で取り上げることとする。
 引き続き、ご覧いただければありがたい。


<筆者紹介>
菊池 健司
株式会社日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンク MDB事業部 部長。
1990年日本能率協会総合研究所入社。マーケティング・データ・バンク(MDB)で長年に渡り、民間企業、官公庁、独立行政法人、大学等からの要請に応じ、公開情報を中心とした情報提供に携わる。現在は新規事業開発、新用途探索、ビジネスプラン策定といったテーマにおいて、情報コンサルタントとして個別企業や機関での支援活動に日々取り組んでいる。情報活用を通じて社員の発想を拡げることを目的とした研修の要望が急増している。