MDB COLUMN

ビジネスを成功に導くための視野/視点の拡げ方(2020/11/13)

「未来」を想起し、ビジネストレンドを先取りする<その13>

<本コラムの紹介>
 ビジネスを成功に導くためには、「いかに視野や視点を拡げていけるか」が極めて重要である。といっても、それほど簡単な話ではないことは皆さまもご存じの通りである。そこで本コラムでは、その方法論について、様々な考え方をお伝えしながら、紐解いていくことを目的としている。「他では読めない内容」となっているので、是非お楽しみいただきたい。



コロナ禍により、あっという間の1年に…

2020年も既に11月中旬に差し掛かり、気がつけば今年も残すところあと1ヶ月半となった。コロナに始まり、コロナに終わる…、全く以って歓迎すべき事態ではないが、ここにきて第3波が押し寄せ、日本や欧米は感染者がまた増加している。ワクチン開発報道も加熱してきてはいるが、まだまだ課題は多い。私たちは十分に注意を払いながら、経済活動を立て直していく必要がある。
 ここにきて、大手企業の人員削減、本社売却、店舗削減、社員の個人事業主化と いった様々な話題が世をにぎわすようになってきた。2020年度下期にどのような事業戦略(本業+プランB、プランC、プランD…)の打ち手を想起できるかが勝負の分かれ目となる。これから、成長産業、成熟産業、衰退産業、消滅産業の濃淡が一段と鮮明になっていくと予想している。

菅政権が立ち上げた「成長戦略会議」に注目

2020年は日米のリーダー交代という大きな流れが加わり、「時代の節目」の1年ともなる。リーダーの交代で注目すべきポイントはいくつもあるのだが、代表的な1つは、やはり経済政策の影のブレーンを誰が担当するかであろう。
 安倍政権から政策を受け継いだ菅政権は、「未来投資会議」を一旦廃止し「成長戦略会議」を新たに立ち上げた。やはり、新たなリーダーは「自分の色」を出したいものだ。

本会合は現在、第2回まで進んでいる。
URL:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/index.html

 成長戦略のKPI進捗状況やグリーン成長戦略関連の議論等はよく見ておかれると よいと思う。後は菅政権のキーブレーンの1人であるデービッド・アトキンソン氏が何を今後提言していくかに注目していただくことをお勧めしておく。
 また今注目しているのは、このままバイデン氏が大統領に就任した場合の、 誰がアメリカの経済政策ブレーンになるかどうかだ。ちなみに経済政策ブレーンは常に全面に出てくるとは限らない…。トランプ政権ではその役割をピーター・ティールという稀代の天才投資家・事業家が担っていたのだ。

URL:https://diamond.jp/articles/-/170909

 バイデン氏とトランプ氏の企業経営者視点で見た記事は以下が興味深い。

URL:https://jp.wsj.com/articles/SB11774057545780784101804587059713616535318
※有料記事となるがよろしければ…

 大きく政局が動く時には、経済政策の流れと影のブレーンをキャッチアップできると新たなビジネスプラン創造に役立つことは間違いない。

次回予告

今回はここまで。
 12月にお届けする次号では、世界の注目ビジネスと経済ブレーンの話題を お届けする予定である。乞うご期待。


<筆者紹介>
菊池 健司
株式会社日本能率協会総合研究所マーケティング・データ・バンク MDB事業本部 副本部長。
1990年日本能率協会総合研究所入社。マーケティング・データ・バンク(MDB)で長年に渡り、民間企業、官公庁、独立行政法人、大学等からの要請に応じ、公開情報を中心とした情報提供に携わる。現在は新規事業開発、新用途探索、ビジネスプラン策定といったテーマにおいて、情報コンサルタントとして個別企業や機関での支援活動に日々取り組んでいる。情報活用を通じて社員の発想を拡げることを目的とした研修の要望が急増している。